RKEが2025年7月にサポート終了 – RKE2またはK3Sへの移行について
Rancher Kubernetes Engine (RKE) 1.6.0のリリースに伴い、RKEはバージョン1.6.0以降、2025年7月の公開を目標にあと2バージョン保守されることをお知らせ致します。従いまして、RKEは2025年7月25日にサポート終了となりますので、RKEをご利用のお客様は、RKE2またはK3Sへの乗り換えが必要となります。
RKEは2018年1月25日に初めてリリースされました。それから6年、625回のリリースを経て、私たちはRKEの旅の最終章を、そして多くの人々にとってはRKE2とK3Sを使った新たな章を歩み始めています。
RKEは信頼できるソリューションでしたが、コンテナオーケストレーションの進化に伴い、セキュリティ、スケーラビリティ、そしてシンプルさがより強化される必要があります。
RKE2に移行する理由
RKEはDockerを使用していますが、Dockerはコンテナランタイムとして保守されなくなりました。Dockershimはリリース1.24でKubernetesプロジェクトから削除されました。RKE2はKubernetesディストリビューションに含まれる最も一般的なランタイムを採用し、より安全で効率的な環境を提供します。この変更は、コンテナワークロードの安定性を向上させるだけでなく、コンテナ管理の最新の業界標準にも合致しています。
RKEと比較したRKE2のメリット
- 最新のアーキテクチャ: RKEはDockerを使用していますが、コンテナランタイムとしての保守は終了しています。RKE2はcontainerdを採用し、より安全で効率的な環境を提供します。
- セキュリティの強化 : RKE2はセキュリティを中核として設計されており、クラスタが最小限の介入でCIS Kubernetes Benchmarksに合格できるようなデフォルトと設定を提供します。
- コンプライアンス: RKE2はFIPS 140-2コンプライアンスをサポートし、ビルド時にTrivyを使用した包括的なスキャンによりCVEを最小限に抑えます。
- 将来性: RKEとK3Sの長所を組み合わせたRKE2は、最新要件を満たす堅牢でスケーラブルなプラットフォームを提供します。
RKEからRKE2へのリプラットフォーム方法
RKEからRKE2へのリプラットフォームを行うには、まずプラットフォーム要件とアーキテクチャを見直し、スケーラビリティ、セキュリティ、自動化などのトピックを再検討することをお勧めします。異なるKubernetesクラスタ間でワークロードをリプラットフォームするのと同様に、RKEクラスタからRKE2クラスタに必要なワークロードを再デプロイすることが不可欠です。
なお、インプレースでのレプラットフォームは不可能です。
- まず、RKEクラスタと実行中のワークロードを評価および文書化し、ワークロードがステートレスかステートフルかを特定します。
- RKE2クラスタを展開し、必要なイングレス接続またはロードバランサー接続を構成します。
- RKEクラスタからRKE2クラスタにワークロードを移動し、必要に応じてリソースをステージングし、スムーズな移行を実現するためのロールバック手順を準備します。
リプラットフォームを成功させるために、より多くのガイダンスとヘルプをご利用いただけます。
リプラットフォームに関するサポートとお問い合わせ
新しいプラットフォームへの移行が必ずしも容易でないことを、弊社は理解しています。多くの場合、このリプラットフォームの概要ガイドで十分な指針を得ることができますが、ご質問やサポートが必要な場合は以下までお問い合わせください: replatform@suse.com
また、SUSEにはコンサルティングサービスとトレーニングサービスがあり、より詳細かつ個別のサポートを提供しています。リプラットフォームの概要ガイドは、RKEをK3sまたはRKE2にうまく置き換えるのに十分なガイダンスです。
私たちは、この移行を可能な限りスムーズに行うことをお約束します。RKE2とK3Sは、Kubernetesのニーズに対して、より安全で効率的、そして将来性のある環境を提供します。
移行プロセスに関する最新情報や詳細なガイドについては、続報をお待ちください。今後もRKE2とK3Sをよろしくお願いいたします。
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